
Vol.52 SNSが苦手でも続けられる発信術|家庭料理店の共感を生む工夫とは
篠原 隆司
SNSが苦手でも「自分の言葉で伝えたい」——そんな思いから始まった小さな発信が、共感と来店につながり始めています。
子育て後の再出発で家庭料理店を営む西井さん。
無理せず、自分らしいスタイルで発信を続けている姿勢には学ぶことが多くあります。
今回は、そんな西井さんのお悩みに寄り添いながら、SNSと動画の活用法をご提案します。
この記事では、架空のヒアリング内容をもとに、SNS初心者の方でも取り組める運用プランと具体的な施策をご紹介します。
企画の趣旨
こんにちは、「SNS運用 勝手に企画提案」担当のゆり子です。
動画編集、SNSのことはゆり子が担当してまいります。
よろしくお願いいたします。
「SNS運用 勝手に企画提案」は実在しない架空の人物・お店を設定し、弊社にSNS運用の相談があったていで私なりの考えを交え提案していく企画です
本ページに記載の内容はお店も人物も実在しない架空のものです
相談者プロフィール(架空)
今回ご相談いただいたのは、地方都市の商店街で家庭料理食堂を営む西井詩織さんです。SNS発信に不慣れながらも、前向きに取り組む姿勢が印象的でした。
西井詩織さん(架空)
SNS担当の西井詩織さんについて、基本情報をご紹介します。

氏名 (架空) | 西井 詩織 |
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氏名カナ | ニシイ シオリ |
性別 | 女性 |
年齢 | 50歳 |
立場 | オーナー |
SNS担当になった経緯 | 売上が落ち込み、テコ入れとしてSNS活用に本腰を入れる必要が出た |
SNS経験・実績 | SNS歴半年。最初は戸惑ったが今は少し慣れてきた |
SNS以外の担当業務 | 家庭料理の仕込みや接客も担当 |
店舗プロフィール(架空)
西井さんが管理する家庭料理食堂「霧の谷商店」をご紹介します。地域作家の作品を展示するギャラリーを併設した、落ち着きと温もりのある空間です。


店舗名 (架空) | 霧の谷商店 |
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経営形態 | 家族経営 |
立地環境 | 地方都市中心部の商店街内 |
業種 | 家庭料理食堂 |
サービス形態 | 複合型(飲食+ギャラリー併設) |
定休日・営業時間 | 不定休・8:00〜16:00 |
従業員数 | 4人(家族中心) |
開業 | 17年目 |
店舗の特長 | ギャラリー併設、地域作家とのコラボ展示 |
主要な来店方法 | 徒歩中心(近隣オフィス・住民) |
来店客の傾向 | 会社員、主婦層、地域の文化好き |
ターゲット層 | 地域で働く30〜50代の生活者層 |
開業理由 | 子育て後の再出発としての挑戦 |
収益構造 | 飲食+展示イベントによる売上 |
主な競合媒体 | 地域チラシ・地元フリーペーパー |
競合状況 | 大型チェーン店との価格競争 |
今後の展望 | 1店舗集中でファンを育てたい |
デジタル対応状況 | スマホ操作や検索には慣れている |
過去の販促経験 | 地域チラシ、イベント参加など |
SNS活用の目的 | ファンづくりと採用活動の強化 |
投稿の主な内容 | 仕込み風景、展示準備、日常の一コマ |
SNS発信に関する情報
SNS発信の現状やこだわりを整理しました。
SNS活用状況 | やや活用中(週1〜2回の投稿) |
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投稿内容の主軸 | 料理の仕込みや作業風景 |
使用機材 | スマートフォン(自然光撮影) |
投稿スタイル | 写真1枚+ひとこと、気軽な投稿 |
投稿頻度 | 週1〜2回、営業後に投稿することが多い |
協力体制 | 家族やスタッフが声かけ・撮影を手伝うことも |
フォロワー対応 | コメント・DMは気づいた時に返信 |
発信の目的 | 地域の人に親しみを感じてもらいたい |
悩み・困りごと | 照明や構図に自信がなく、見栄えが悪くなる |
投稿に対する反応 | 「懐かしい」「食べたい」といった共感コメントが励み |
モチベーションの源 | 投稿を見て来店してくれたお客様の一言 |
SNS担当になった経緯

SNS担当になったきっかけは、売上が落ち込み「何か手を打たねば」と強く感じたことでした。
周囲の飲食店がSNSを活用していると聞き、自分にもできることがあるのではと思い、スマホを片手に少しずつ始めたのがきっかけです。
最初は投稿のハードルが高く、構図や明るさが気になりすぎて何枚も撮り直したり、投稿文を悩んで結局ボツにすることもありました。
それでも、投稿を見た常連さんから「見てるよ」と言ってもらえたことが嬉しくて、続けようと思えたのです。
担当者の価値観・こだわり
- できることを、無理なく繰り返すスタンスを大事にしている
- 「すてきな日常は誰かの相談になる」と信じている
- SNSは「隣の中井さんのつぶやき」くらいでちょうどいい
- 言葉や表現に不器用でも、自分の気持ちを大事にしたい
- 撮ることが負担にならないよう、気軽さと生活感を大事に
現状の課題(架空)

ここでは、西井さんからヒアリングした内容をもとに、現時点で抱えている課題を整理していきます。
投稿のタイミングが定まらない
営業後の疲れや、忙しい朝の準備で、投稿の時間が定まらず気づいたら数日空いてしまうことがあります。「今がいいのか迷う」状態が続き、モヤモヤを感じています。
見栄えに自信がなく撮影をためらう
自然光が入りづらい時間帯や、厨房の生活感が映ってしまうなど、写真の「映え」に自信が持てず、投稿をためらうことが多いそうです。
忙しくて投稿が後回しになる
仕込みや接客に追われ、日中はスマホに手が回りません。撮ってはいるけど「あとでやろう」が続き、投稿しないまま終わる日も。
イベントの記録を撮る余裕がない
コラボ展示やイベント時は現場対応に手いっぱいで、写真や動画を撮る余裕がないとのこと。終わってから振り返り投稿するのもひと苦労。
反応はあるが次のステップがわからない
コメントや「見たよ」という反応は嬉しいものの、そこからどう関係性を深めていくのか、どこに誘導すべきかが曖昧で手が止まってしまうそうです。
SNS・動画活用による改善提案

ここでは、西井さんのお悩みに対してご提案したいSNS・動画活用の具体的なアイデアをご紹介します。
曜日・時間を固定した投稿習慣の提案
まずは「火・金の夕方に投稿する」など、固定スケジュールを設けることで、投稿のリズムが生まれやすくなります。見ている側にも「この曜日に上がる」という安心感が生まれます。
自然光で撮れる定位置の作成
「この角度から撮れば間違いない」という場所を店内に決めておくと、撮影に迷わずスムーズです。余白や背景を整えておくことで、見栄えも安定します。
「今すぐ投稿しない」下書き活用術
営業中に撮影し、下書き保存しておいて閉店後や翌日に投稿するスタイルなら、気持ちに余裕を持って発信できます。継続にも効果的です。
イベント前後の撮影フローの整備
イベント当日に撮るのではなく、事前準備や展示風景を数回に分けて撮影し、あとからストーリーとして投稿する形にすれば、負担を軽減できます。
投稿から予約・問い合わせ導線の設計
「気になる方はDMください」「予約はこちら」など、投稿文の最後にアクションを促すひと言を加えることで、フォロワーとの接点が生まれます。
提案によって期待される未来の変化

ご提案の実施によって、西井さんのお店にどのような変化が期待できるかをまとめました。
SNSの力で広がる未来のイメージを描いていきます。
投稿が楽しみに変わる
「義務」だったSNS投稿が、「誰かに届けたい楽しみ」に変わると、発信のモチベーションが安定します。
日常の一コマが来店動機に
何気ない仕込み風景や展示準備が「見てみたい」「行ってみたい」と思わせるきっかけになります。
イベント時の振り返りが簡単に
記録用に撮っておいた写真が、投稿や告知、今後の資料にも活用できる“資産”になります。
お客様との接点が増える
「インスタで見たあれ」という会話のきっかけが増え、リピーターや新規客とのつながりが生まれやすくなります。
SNSがスタッフ採用にも活きる
店の雰囲気や人柄が伝わる投稿は、求人への応募時にも好印象を与えやすくなります。
SNS運用サポートのご案内

弊社が提供できる支援内容を整理しました。SNSや動画に不安がある方でも安心してご相談いただけます。
投稿内容の相談・改善提案
「この内容で伝わるかな?」という不安を、プロ視点でサポート。言葉の整え方やテーマの選び方をご一緒に考えます。
撮影アドバイスと環境チェック
スマホでの撮り方や、自然光の活かし方、店内の定位置づくりなど、日常の中で活かせる撮影のコツをお伝えします。
投稿用テンプレートの提供
投稿文章やハッシュタグのひな形、投稿の曜日別テンプレートなどをご提供。時短と継続に役立ちます。
イベント活用の導線設計サポート
イベントの撮影・告知・振り返りまでを一連で考えた導線設計をお手伝いします。素材の活用法もご提案可能です。
採用につなげるSNS活用支援
人柄やお店の雰囲気が伝わるような「らしい発信」は、求人ページ以上の説得力を持ちます。採用にも活かせる活用法をご提案します。
まとめとご相談のご案内

最後に、今回のご提案を振り返りつつ、同じようなお悩みを抱える皆さまへのメッセージとご案内をお届けします。
自分らしく続けることが一番の武器
完璧じゃなくていい。素朴でも「その人らしさ」が伝わる発信は強いです。
共感される発信は、続けてこそ
続けているからこそ「見てくれる人」が生まれ、共感が広がっていきます。
やり方を工夫すれば無理は減らせる
撮影・投稿・運用に関して、ちょっとした工夫で負担を軽減する方法はたくさんあります。
専門家の力を借りる選択肢もある
全部を一人で背負わなくても大丈夫。相談できる環境があるだけで、気持ちが楽になります。
まずは話してみることから始めよう
「うちでもできる?」という気軽な問いかけからで構いません。お気軽にご相談ください。