
Vol.45 SNSが苦手な店長の挑戦|素朴なキャンドル工房が見つけた発信のカタチ
篠原 隆司
SNSが苦手な店長が、投稿の迷いと向き合いながら少しずつ発信を続けてきた姿を紹介します。
「おしゃれに見せたいけど、どうすればいいかわからない」
そんな不安を抱えながらも、丁寧な投稿を重ねてきた店長。
今回は、自然体の発信に光を当てた改善提案をご紹介します。
この記事では、架空のヒアリング内容をもとに、SNS初心者の方でも取り組める運用プランと具体的な施策をご紹介します。
企画の趣旨
こんにちは、「SNS運用 勝手に企画提案」担当のゆり子です。
動画編集、SNSのことはゆり子が担当してまいります。
よろしくお願いいたします。
「SNS運用 勝手に企画提案」は実在しない架空の人物・お店を設定し、弊社にSNS運用の相談があったていで私なりの考えを交え提案していく企画です
本ページに記載の内容はお店も人物も実在しない架空のものです
相談者プロフィール(架空)
今回ご相談いただいたのは、農村地域でキャンドル工房を営む伊達知宏さんです。商品作りから販売までを一貫して行いながら、SNSの投稿にも取り組んでいます。
伊達 知宏さん(架空)
SNS担当の 伊達 知宏 さんについて、基本情報をご紹介します。

氏名 (架空) | 伊達 知宏 |
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氏名カナ | ダテ トモヒロ |
性別 | 男性 |
年齢 | 56歳 |
立場 | 店長 |
SNS担当になった経緯 | 炎上をきっかけにリスク管理のため投稿を引き継いだ |
SNS経験・実績 | SNS歴1年。週1〜2回投稿を継続中 |
SNS以外の担当業務 | 商品の仕込み、在庫管理、イベント対応など現場全般 |
店舗プロフィール(架空)
伊達さんが運営する「たゆたう店堂」では、自然に囲まれた工房でキャンドルの製作・販売を行っています。


店舗名 (架空) | たゆたう店堂 |
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経営形態 | 個人事業 |
立地環境 | 農村エリア・自然に囲まれた立地 |
業種 | キャンドル工房 |
サービス形態 | 出張型+週末店舗販売 |
定休日・営業時間 | 不定休・8:00〜16:00 |
従業員数 | 4人 |
開業 | 開業5年目 |
店舗の特長 | 棚の高さが低く、子連れでも買い物しやすい設計 |
主要な来店方法 | 徒歩・車(近隣集落や送迎バスも一部利用) |
来店客の傾向 | 常連中心、新規客は少なめ |
ターゲット層 | 地元高齢者層、親子連れ、自然志向の女性層 |
開業理由 | 子育て後の再出発として手づくりの仕事を始めた |
収益構造 | 店舗販売が中心。出張イベントや体験教室も実施 |
主な競合媒体 | チラシ |
競合状況 | 競合は少ないが、地域での知名度が低い |
今後の展望 | ECサイトを強化し、新しい層にリーチしたい |
デジタル対応状況 | 基本はアナログ派。SNSとECは現在活用中 |
過去の販促経験 | チラシ・イベント出店が中心 |
SNS活用の目的 | おしゃれなイメージで新規層に届くきっかけにしたい |
投稿の主な内容 | 四季の風景・商品の写真・日常の様子 |
SNS発信に関する情報
SNS活用に不安を抱えながらも、少しずつ継続して取り組んでいる様子が見られます。
SNS活用状況 | 活用中(1年継続中) |
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投稿内容の主軸 | 風景、仕込み風景、商品紹介 |
使用機材 | スマートフォン |
投稿スタイル | 写真1枚+ひとことキャプション中心 |
投稿頻度 | 週1〜2回 |
協力体制 | 基本は本人。時々、家族(娘)の協力あり |
フォロワー対応 | コメントには最低限返信。DMは基本非対応 |
発信の目的 | “おしゃれ”な印象を与え、新規層へのきっかけに |
悩み・困りごと | 投稿がマンネリ化。動画の使いどころも分からない |
投稿に対する反応 | いいね・コメントは少なめ。常連からの声かけが励み |
モチベーションの源 | 「投稿見たよ」のひとことや家族の助言 |
SNS担当になった経緯

SNS担当になったきっかけは、過去にスタッフが投稿した内容がきっかけで炎上し、お客様からの信頼に傷がついてしまったことでした。
この出来事を重く受け止めた伊達さんは、「責任は自分で取るべきだ」とSNSの運用を引き継ぎ、現在も投稿を続けています。
普段は商品づくりや仕込みで手一杯ですが、早朝の店内やイベント準備の合間にスマホで写真を撮り、言葉を添えて投稿するのがルーティンに。
SNSが得意なわけではないものの、お客様からの「見たよ」の一言に励まされ、地道に続けている姿が印象的です。
担当者の価値観・こだわり
- 誤解を生まない丁寧な言葉づかいを心がけている
- 華やかさよりも素朴で落ち着いた雰囲気を大切にしたい
- 商品よりも“暮らしの中の情景”を伝えることに重きを置く
- コメントやDMには誠実に対応したいが、無理はしない
- 日常の中でふと立ち止まってもらえるような発信を目指している
現状の課題(架空)

ここでは、伊達さんからヒアリングした内容をもとに、現時点で抱えている課題を整理していきます。
日々の投稿がマンネリ化している
四季の風景や商品の写真を投稿しているものの、同じような構図・内容が続いてしまい、変化が出しにくいと感じているそうです。
“おしゃれに見せる”方法がわからない
イメージとしては「自然で素朴な暮らし」を伝えたいが、SNSで見かけるような“映え”との違いに戸惑いがあるとのことです。
忙しくて投稿の優先度が下がりがち
仕込みや店舗対応に追われ、SNSはつい後回しに。定期投稿の習慣はあるものの、手間に感じることもあるようです。
反応が少なく、手応えを感じにくい
常連客からの声かけはあるが、フォロワー数は少なく、いいねやコメントもまばら。続ける意味に迷うことも。
動画の使いどころがわからない
動画も試してみたい気持ちはあるものの、「何をどう撮って、どう編集すればいいのか」が分からず、踏み出せない状況です。
SNS・動画活用による改善提案

ここでは、伊達さんのお悩みに対してご提案したいSNS・動画活用の具体的なアイデアをご紹介します。
投稿ジャンルの「曜日固定」で迷いを軽減
月曜は風景、水曜は製作風景、金曜は商品の紹介など、ジャンルを曜日で決めておくことで「何を投稿するか迷う」悩みを減らせます。
“素朴なおしゃれ”をテーマにした写真構成
ナチュラルな光・木の質感・日常の小物などを活かした写真構成にすることで、“派手じゃないけど美しい”世界観をつくれます。
15秒動画で「動き」と「音」を見せる
キャンドルの火が揺れる様子や芯をカットする音など、動画ならではの“伝わる感覚”を短尺で発信するのがおすすめです。
「常連さんの一言」を投稿ネタに活用
お客様からもらった声を、言葉ごと投稿に添えることでリアルな信頼感が伝わり、投稿のバリエーションにもなります。
撮影・投稿作業を朝のルーティンに組み込む
開店前の静かな時間に撮影と投稿をまとめて行うことで、業務の流れを邪魔せずに習慣化できます。
提案によって期待される未来の変化

ご提案の実施によって、伊達さんのお店にどのような変化が期待できるかをまとめました。
SNSの力で広がる未来のイメージを描いていきます。
投稿への反応が少しずつ増える
投稿の方向性が定まり、見てくれる人に伝わるようになれば、少しずつ「いいね」や「コメント」が増えていきます。
お店の“雰囲気”が伝わる投稿になる
素朴さや温かさといった空間の魅力が発信ににじむことで、初めてのお客様にも安心感が届くようになります。
「来店のきっかけ」がSNSになる
投稿を見て「行ってみたい」と思った方が実際に足を運んでくれるような、接点づくりが期待できます。
動画による「伝わり方の変化」
キャンドルの揺れや作業の音といった“静かな魅力”が伝わりやすくなり、商品の印象にも奥行きが生まれます。
SNSが「苦手な義務」から「自分の言葉」になる
最初は不安だったSNSも、自分の言葉と工夫で続けるうちに、やがて“伝えたいことを届ける手段”として味方になっていきます。
SNS運用サポートのご案内

弊社が提供できる支援内容を整理しました。SNSや動画に不安がある方でも安心してご相談いただけます。
投稿の方向性整理サポート
日々の投稿内容を分類・整理し、「何を投稿すればいいか」の迷いをなくす設計をサポートします。
テンプレートの提案とカスタマイズ
お店の世界観に合った投稿テンプレートを作成し、それをベースに応用することで表現のブレを減らします。
動画編集の代行・素材整理の支援
スマホで撮った動画を短く編集したり、文字・音楽を入れたりといった作業を代行することも可能です。
アカウント診断と改善ポイントの提案
現在のSNSアカウントを拝見し、改善ポイントを可視化。より効果的な運用を目指すサポートを行います。
継続運用のしくみづくり
ルーティン化の工夫や、スタッフ・家族との分担方法など、無理のない形で続けられる体制づくりを支援します。
まとめとご相談のご案内

最後に、今回のご提案を振り返りつつ、同じようなお悩みを抱える皆さまへのメッセージとご案内をお届けします。
「SNSが苦手」でも工夫はできる
苦手だからこそ、自分らしく、無理なく続ける工夫が必要です。今回のご提案がそのヒントになれば幸いです。
毎日の中に投稿のヒントがある
何気ない風景やお客様との会話など、日常の中にこそ伝えたいことがあるという視点を大切にしましょう。
動画は「難しい」より「伝わる」が先
編集技術よりも、「どんな音や動きが伝わるか」という視点が第一歩になります。15秒の動画から始めてみませんか?
表現は“足し算”よりも“引き算”で
素朴なお店や落ち着いた空間では、派手な演出よりも自然な光や静けさを活かす方が魅力が伝わります。
一歩ずつでも、変化は始まる
完璧でなくても構いません。継続と工夫の積み重ねが、お店の魅力を確実に伝えてくれるようになります。