デジタルネイティブ
篠原 隆司
デジタルネイティブという言葉をご存知だろうか?
分からないなら、youtubeさんかgoogleさんに聞いて頂ければと思うが、まぁ、このまま本文を読み進めていっても、たぶん大丈夫だと思う。
つい先ほど、約1時間ほど、ある人と会話をした。
名前は、Fさんとしておく。
これだけだと、「電話でもしたのか?」と思うかもしれない。
まぁあながち間違いでもない。
正確には、会議を行った。
Fさん宅までは距離にして約60Km離れている。
まず、私のPCの中に、FさんのPCの画面が表示されるようにする。
つまり、Fさんと私は、1つの全く同じパソコン画面を見ることができる。
そのうえ、私が、マウスやキーボードを触ると、Fさんの画面でその通りに操作を行える。
遠隔操作というわけだ。
これらを、「リモートデスクトップ」という。詳しくはgoog(ry)
リモートデスクトップで繋がれた、私とFさんのPC。
会話は、インターネット電話を用いて行う。
もちろん通話料なんて不要だ。
まず、Fさんのパソコンで、エクセルが起動される。
そこには、Fさんがまとめておいた資料が書かれている。
問題点について、エクセルを”操作”しながら、2人で考える。
当然、操作を行うのは、Fさんであり、そして私だ。
お互いが、必要なタイミングで、操作をすることができる。
お互いが、自分の家、部屋、仕事場、場所を問わず、どこにいても、どんなに離れていても、
インターネットに繋がっているパソコンがある限り、その場で、資料を開き、
突発的に会議を始めることができる。
わざわざ出向く必要もない。
また、ある別の人には、このシステムを利用して、パソコンの家庭教師をすることもある。
初心者さんのPCを私の画面に表示しながら、直接操作して教えていく。
これで、夜中に電話が掛かってきても、私は自分のPCを起動するだけで、すぐに教えることが可能となっている。
この前、あるテレビをみた。
そのテレビ番組は、特別インターネットのことをとりあげた番組ではない。
純粋に音楽の番組だ。
というか、ストリートファイターだ。
そこで、最近の若者による作詞作曲・・・つまり制作活動の変化がドキュメンタリされていた。
制作活動に、まずパソコンを使う。
これ必須。当たり前。外せない。
まず、ギター担当の子が「作曲担当」となっていた。
そして、なんとギターをパソコンに接続し、演奏を始めてしまう。
これで、録音されてPCに保存されるわけだ。
次に、「作詞担当」のボーカルの子に「曲」が渡される。
曲を渡すのも、もちろんインターネット経由だ。
ギターとボーカルの両者が、インターネットを使ってテレビ電話を行っている。
テレビ電話の途中で、ギターの子から「曲」がボーカルの子に転送される。
そして、ボーカルの子は、すぐさまその場で、曲を確認することができる。
そして、ギターの子は、すぐさまその場で、ボーカルの子の反応を確認することができる。
ボーカルの子が曲を初めて受け取ったその場で、軽い打合せ、変更をやってのける。
そして、ボーカルの子が詩を書く。
その間には、ギターの子から楽譜が、他の楽器のメンバーに配られている。
もちろん、インターネットを介してだ。
そして、全員、顔を合わせての初めてのセッションの日。
その日だけで、ほぼ完成してしまう。
日ごろから、インターネット、テレビ電話など、デジタルツールを駆使して、
メンバー間でやりとりを行い、個人個人で練習する時間があるからだ。
分からないことを、すぐに聞ける。そしてすぐに返事が返ってくる。
これが、どんなに素晴らしい環境であるか。
また、仕事にバイトに学校に・・・メンバー間で、時間が合わなくたって問題ない。
テレビ電話だけが、デジタルツールではないからだ。
用件を伝えるなら、メールを使えば時間にとらわれないで済む。
メールには、文章だけでなく、音楽データや動画データも送れるので、
リアルタイムである必要もない。
あとは、受け取った各々が、自分の時間の中で、練習をしていけばよいのだから。
私が物心ついたときには、電話があった。自動車があった。炊飯器があった。冷蔵庫があった。
しばらくして、ファミコンが出てきた。プレイステーションがでてきた。
CDがでてきて、MDが、DVDが、そしてブルーレイが出てきている。
ポケベルがでてきた。携帯電話がでてきた。
パソコン通信というものがあり、インターネットがでてきて、いまや携帯電話・ゲーム機を問わず、インターネットは至るところに溢れている。冷蔵庫でさえもインターネットに繋がってしまう世の中だ。
今の高校生は、携帯電話が存在する世の中が当たり前で、インターネットのない生活なんて考えられない。
インターネットなんて、パソコンなんて、という高校生もいるかもしれない。
でもさ、その大好きなメール。メールもインターネットだよ。
インターネットはそこかしこに潜んでいる。
そんなものが?と思うものまでインターネットを利用している。
インターネットを「特別なものだ」と感じる世代。
インターネットを「空気や水」と同じくらい当たり前のものと感じる世代。
変化に取り残されないようにしなきゃいけない、と思う。
なぜなら、次に手に取るべきツールを選択しなければならない日が近づいているから。