ルール(規則)を破壊してみる?
篠原 隆司
ルールというのは、ルールを作る者たちのご都合で作られている。
所詮、人が作ったもの。
それなら、それを破壊してみない??
ルールを無視する、というのではない。
ルールを守らない、というのでもない。
ルールそのものの存在価値を潰してしまう。
そんなことができるのか?
それが、できちゃってる。
例えば、「Googleブックサーチ集団訴訟」なんてのはおもしろい。
あらゆる本をスキャンしてインターネットで検索・閲覧できるようにしてしまおう!
Googleが掲げた新しいサービス。
そんなことが実現されると困る人たちがたくさん出てくる。
「本が売れなくなってしまう!」
本を売ることで商売を行っている人たちは怒りに満ち溢れていたことだろう。
アメリカで訴訟が行われ、和解案が受け入れられたのが2008年のこと。
また、YouTubeの登場もおもしろい。
YouTubeは、投稿者が録画や制作した動画をアップロードして、誰もが再生できるようにしたサービス。
個人撮影、制作した動画がたくさんアップロードされているなか、テレビ番組を録画してアップロードするような者もいる。
音楽のプロモーションビデオをアップロードする者もいる。
新曲・人気曲に関係なく「アップされていないPVを探すほうが大変」という状況。
これらは、明らかな著作憲法違反。
テレビが見られなくなってしまう!
音楽が売れなくなってしまう!
即刻削除せよ!
というのは、著作権者の主張。
・・・だった。
しかしながら悪い面ばかりでもない。
YouTubeにアップするということは、全世界に公開されるということ。
世界の皆さんの「日本好き」は異常なほど。
サムライ・マンガ・アニメ・スシなどなど。
そういう特別な状況にある日本の文化を「無料」で世界に発信できる。
それをキッカケとして、海外のファンが増える。
そして、海外で商品が売れるようになる。
販路拡大。
日本ユーザーにおいても同じ。
全く興味も無く、存在すら知らなかった音楽でも、YouTubeを見たことがキッカケとなり、ファンになり、CDを買う。
私自身、YouTbeで存在を知り、購入に走ったケースは数知れず。
こういうことが日常的に起こっている。
ルール主張者が、自らが作ったルールに戸惑いを感じ始めている。
ルールが壊れ始めている。
インターネットの世界では、ルール破壊の事例をよく見かけるが、リアルな世界でもそれは起こっている。