[あれ]で通じる関係。
篠原 隆司
「それ取って」
「あれ知ってる?」
「あれってどうなったっけ?」
こんな言葉を皆さん使いませんか?
そもそも、「あれ」ってなに?
「それ」ってなに?
「主語をきちんと言えーー」ってね。
だけどさぁ
通じちゃうことあるよね。
「あれ」としか言っていないのに、「あれ」が何を指しているのか通じちゃうとき。
「昨日のあれ見た?」
「あーあれね。見た見た。○○のことやろーー」
「そうそう、あれメッチャおもろいよね。」
ってさ。
同じことを、別の人に言っても通じない。
「昨日のあれ見た?」
「あれ?あれって何??」
ってね。
この違いが何かって、やっぱ付き合いの深さなんかなーー
言い換えると、お互いがお互いのことを分かりきっている。
「あれ」で通じるってことも分かりきっている。
その人が、どんなTVが好きか、どんな趣味を持ってるか、普段どんな生活をしているか?
そういうことを、お互いにたくさん話しを重ねてきているから、「あれ」の一言で足りる。
相手は数ある候補の中から、適切な「あれ」を脳内でピックアップできる。
家族でって言えば、多くの人は、こんな関係を築いているんじゃないかなー?
いや、人んちのことは分からないけど。
だけど、他人・・・それは、友人とか恋人とか仕事仲間とか・・・
こういう他人達の中に、「あれ」で通じるような関係の人がいるとしたらそれは貴重だと思う。
だって、それは一朝一夕には築けないでしょ。
・・・ってまぁここまで書きながら、↑の文に私自身が突っ込みどころ満載なわけだけど、それは好意的に解釈してね(笑)