いつもじゃない2つの出来事。
篠原 隆司
帰宅する。
メールをチェックする。
とある企業からの1通のメール。
返信をする。電話番号を添えて。
しばらくすると電話が鳴った。
東京03・・・
間違いないメールの主からだ。
メールの主は言った。
「あなたの持っているものを売らないか?」と。
そんなことを言われても、2つ返事で「うん」なんて言えない。
携帯電話の電池が無くなるほど話をした。
私の目が死んでいるなら今すぐにでも売れば良いと思う。
しかしながら、私の目はまだ輝きを失っていないつもりだ。
金額が折り合わないことは、最初から分かっていた。
それでもなお、それだけの価値を見出してくれる相手がいるなら、
まずは話をしてみたいと思う。
さてさて、というわけで、帰宅するなりの長電話。
まぁ迷惑でもなんでもないし、勉強になったから、全然問題はないんだけど・・・
ただ・・・ご飯が遅くなっちゃった。
で、スーパーへ向かうべくマイカーの元へ。
ん?
車のドアに何か貼ってあるぞ?
近づいて見てみると・・・
「申し訳ありません・・・・車を擦ってしまいました。・・・お詫びが・・・・電話番号は・・・・」
と、丁寧な文字で、心を込めて書いてあるようだ。
でもね、丁寧な文字だけどさ、その辺にある紙をちぎって書いたでしょ。
ツメが甘いなぁ。と微笑むしかなかった。
まずは当てられたところを確認。
フロントの樹脂製の部分が8センチほど擦られてて塗装がはげてる。
まぁいいんじゃない。許容範囲。許容範囲。
続いて、電話を掛けてみる。
「○○の車に乗ってるものですがーーー」
って言ったら、スグに降りてきて下さった。
彼は、私のマンションの向かいに住んでいるようだ。
かくかくじかじかでーーと、まぁ経緯と今後について話す。
まぁね。ぶつけたもんしゃーないやん。
だから終始、笑顔を絶やさないようにだけは気をつけて話した。
このまま話してても結論は出ないので、また連絡しますってことで私はスーパーへと向かう。
そして、会社の同僚に電話。
どうするか聞いたところ、「とりあえずホンダ行け」と。
その辺の小さな車屋に持っていくよりも、「ホンダの請求書です」って渡してあげたほうが、
相手の方が保険屋さんと話するにも、説得力ある材料になるから良いやろって。
というわけで、明日は、ホンダ行かなくちゃ。
なんか、被害者オレなのに申し訳ないなと思うのは何故だろう?