LinuxにPHPをインストールする方法各種まとめ
篠原 隆司
アフィリエイト広告を利用しています
このページの内容が役に立ったら X (旧twitter) でフォローして頂けると励みになります
挨拶や報告は無しで大丈夫です
Linux環境でPHPをインストールする際、バージョンやディストリビューションによって手順が異なります。
また、公式のリポジトリやサードパーティのリポジトリ、ソースからのビルドなど、いくつかの方法があります。
本記事では、当サイト内で紹介している各バージョンのPHPのインストール方法を分かりやすくまとめました。
この表を活用することで、環境に適した方法をすぐに見つけることができます。
下記の表には、各バージョンのPHPについて、対応するインストール方法を一覧にしています。
PHPのインストール記事一覧
当サイトで公開しているPHPインストールに関する記事をまとめました。
お使いのLinuxディストリビューションやインストール方法に応じて、適切なリンクを選んでください。
バージョン | ソースインストール | DNF / YUM インストール |
---|---|---|
PHP 8.3.7 | Rocky Linux 9.4 | - |
PHP 8.3.6 | - | AlmaLinux 9.3 |
PHP 8.3.7 | CentOS Stream 8 | - |
PHP 8.2.27 | Rocky Linux 9.4 | - |
PHP 8.2.19 | Rocky Linux 9.4 | - |
PHP 8.2.10 | AlmaLinux 9.2 | - |
PHP 8.2.10 | CentOS Stream 8 | - |
PHP 8.1.28 | Rocky Linux 9.4 | - |
PHP 8.1.23 | CentOS Stream 8 | - |
PHP 8.1.4 | - | CentOS Stream 9 |
PHP 8.0.30 | Rocky Linux 9.4 | - |
PHP 8.0.20 | CentOS Stream 8 | - |
PHP 8.0.11 | CentOS Stream 8 | - |
PHP 7.4.33 | Rocky Linux 9.4 | - |
PHP 7.4.33 | CentOS 6 | - |
PHP 7.4.24 | CentOS Stream 8 | - |
PHP 7.4.22 | - | |
PHP 7.4.9 | CentOS 6 | - |
PHP 7.4.8 | CentOS 6 | - |
PHP 7.4.6 | CentOS 7 | CentOS 8 |
PHP 7.3.33 | Rocky Linux 9.4 | - |
PHP 7.3.31 | CentOS Stream 8 | - |
PHP 7.3.6 | CentOS 6 | - |
PHP 7.2.33 | CentOS 6 | - |
PHP 7.2.13 | CentOS 6 | - |
PHP 7.1.25 | CentOS 6 | - |
PHP 5.6.40 | CentOS 8 | - |
PHP 5.3.29 | CentOS 6 | - |
PHP 5.3.3 | - | CentOS 6 |
PHP 5.2.8 | CentOS 6 | - |
PHP 5.3.6 | - | CentOS 5 |
どの方法を選ぶべきか?
PHPのインストール方法は、大きく分けて パッケージ管理システム(DNF / YUM)を利用する方法 と ソースからビルドする方法 の2種類があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、目的や環境に応じた選択が重要になります。
ソースからビルドする方法
おすすめのケース
- 最新のPHPバージョンを利用したい
- 特定のコンパイルオプションを有効にしたい
- カスタム拡張を組み込んで最適化したい
メリット
- 最新バージョンを使える:公式サイトから最新のPHPをダウンロードしてインストール可能
- カスタマイズが自由:コンパイル時のオプションを細かく設定でき、環境に合わせた最適な構成を作れる
- 不要なモジュールを省略可能:最小限の構成でインストールし、パフォーマンスを向上できる
デメリット
- インストール手順が複雑:必要なライブラリや設定を手動で管理する必要がある
- アップデートが面倒:新しいバージョンが出るたびに手動でビルドし直す必要がある
- 環境によっては動作が不安定になる可能性:ビルド時のオプションやライブラリの依存関係をしっかり管理しないと、不具合が発生することも
利用方法の例
wget https://www.php.net/distributions/php-8.3.7.tar.gz
tar -xvf php-8.3.7.tar.gz
cd php-8.3.7
./configure --enable-mbstring --with-openssl
make
sudo make install
このように、ビルド時に必要なオプションを指定しながらコンパイル・インストールする必要があります。
パッケージ管理システム(DNF / YUM)を利用する方法
おすすめのケース
- 最新のセキュリティアップデートを手軽に適用したい
- インストールや管理を簡単にしたい
- システムの安定性を重視したい
メリット
- 手軽さ:dnf や yum コマンドを実行するだけでインストール可能
- アップデートが容易:セキュリティ更新やバージョンアップがパッケージ管理システムで自動適用される
- 依存関係が解決される:必要なライブラリや拡張モジュールが自動的にインストールされるため、環境構築が容易
デメリット
- 最新バージョンが使えないことがある:公式リポジトリでは安定版のみ提供されるため、最新のPHPを使いたい場合には不向き
- カスタマイズが難しい:パッケージに含まれる設定がデフォルトのため、特定のオプションを有効化したい場合に制約がある
利用方法の例
sudo dnf install php
また、特定のバージョンをインストールする場合、EPELリポジトリやRemiリポジトリを利用する方法もあります。
どちらを選ぶべきか?
手軽さ・安定性を求めるなら → パッケージ管理システム(DNF / YUM)
最新バージョンやカスタマイズが必要なら → ソースからのビルド
多くの環境では、まずは DNF / YUMでのインストール を試すのがおすすめです。
特に本番環境では DNF / YUM が良い場合が多いと思います。
もし、特定の機能が必要でリポジトリで提供されていない場合や、パフォーマンスの最適化が必要な場合は、ソースビルドを検討しましょう。
ソースインストールが良い方法の1つとして、「複数バージョンの同居が容易」ということが挙げられます。それは環境を作ったときだけではなく、数年後、忘れた頃になってもまだ確実に動作させることが可能だからです。
当サイトでは、「開発環境を構築する」 ことを前提に、複数のPHPバージョンを1つの環境に共存させる ことで、さまざまなプロジェクトに柔軟に対応できる環境を推奨しています。
これにより、異なるPHPバージョンを必要とするプロジェクト間の切り替えがスムーズになり、レガシーシステムから最新の開発環境まで幅広く対応可能になります。