Eclipse に Prettier を導入してコード整形を自動化する方法
篠原 隆司
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挨拶や報告は無しで大丈夫です
Web制作やチーム開発で「インデントがずれてる」「スペースかタブか」で揉めた経験、ありませんか?
Prettier はそんな “フォーマット論争” からチームを解放してくれる自動整形ツールです。
VS Code では定番ですが、Eclipse でも同じように運用できます。
1.導入背景 〜フォーマットで揉めないチームに〜
特に Web 系チームでは「誰の書いたCSSだけインデント違う」「セミコロン問題」などが発生しがちです。
コードレビューがスタイル論争になるのは時間のムダ。Prettier を導入すれば、すべて機械的に揃えてくれます。
- VS Code と同じルールを Eclipse にも適用できる
- Node.js ベースなので、プロジェクトごとに統一ルールを共有可能
- 保存・ショートカットから簡単に自動整形を実行できる
つまり、「フォーマットは機械に任せる」文化を Eclipse でも再現できる、ということです。
2.成功ルート(確定した設定手順)
今回は「外部ツール呼び出し方式」で、Eclipse に Prettier を組み込みます。
Step 1:Node.js と Prettier をインストール

node -v
# v22.1.0(動作確認済み)
npm install -g prettier
prettier -v
# 3.6.2
次に、Prettier の実行ファイルの場所を確認します:
where prettier
📍例:C:\Program Files\nodejs\prettier.cmd
Step 2:Eclipse に外部ツールとして登録

メニューの [実行]→[外部ツール]→[外部ツールの構成...] から「プログラム」を新規作成し、以下のように設定します。
| 名前 | Prettier フォーマット |
| 場所 (Location) | C:\Program Files\nodejs\prettier.cmd |
| 作業ディレクトリ (Working Directory) | (空欄でOK) |
| 引数 (Arguments) | --write "${resource_loc}" |
Step 3:ショートカットで即整形(Ctrl + Shift + R)
Prettier は「外部ツール」として登録されているため、個別にショートカットを割り当てることはできませんが、外部ツール起動ダイアログを呼び出すショートカットを登録すれば、すばやく Prettier を実行できます。
① ショートカットを登録する

- メニューから [ウィンドウ]→[設定]→[一般]→[キー] を開く
- 検索ボックスに 外部ツール と入力
- 一覧から 外部ツールの選択実行(Run External Tool...) を選択
- 下の「バインディング」欄に
Ctrl + Shift + Rを入力 - 「適用して閉じる」で保存
これで Ctrl + Shift + R で外部ツール実行ダイアログを呼び出せるようになります。
② 実際の使い方
- Ctrl + Shift + R を押す(外部ツール実行ダイアログが開く)
- 矢印キーまたはマウスで「Prettier フォーマット」を選択
- Tabキーで「実行」ボタンにフォーカスを移動
- Enterキーで Prettier 実行!
慣れると「Ctrl + Shift + R → Enter」で一瞬で整形できます。VS Code のフォーマットショートカット感覚で使えるのがポイントです。
下図のようにアイコンから「Prettirer フォーマット」を選択して実行することもできます

Step 4:保存時に自動整形(任意)
保存時にも Prettier を実行したい場合は、「自動ビルド」と「外部ツールビルダー」を利用します。
- プロジェクトを右クリック → [プロパティ]→[ビルダー]
- [新規]→[プログラム]で同様に Prettier を登録
- [ビルド・オプション]で「自動ビルド中」にのみチェック
- 「プロジェクト → 自動ビルド」を有効化
3.フォーマット設定
Eclipse で Prettier を利用する場合、整形ルールはプロジェクトルートの .prettierrc ファイルに定義します。
この設定ファイルは、チーム全体で統一したコードスタイルを維持するための「フォーマット仕様書」のようなものです。
ここで指定したルールに基づき、Eclipse から外部ツールとして Prettier を実行すると、すべてのソースコード(HTML / CSS / JavaScript)が同じ基準で整形されます。
整形ルール
この設定では、基本ルールを全言語共通で定義したうえで、
ファイルの種類ごとに細かい違いを「overrides」で上書きしています。
.prettierrc に書きます。
.prettierrc はプロジェクトのルートディレクトリに配置します。
例としてオススメの内容を記します。
{
"printWidth": 120,
"tabWidth": 4,
"useTabs": false,
"semi": true,
"singleQuote": true,
"trailingComma": "none",
"arrowParens": "always",
"bracketSpacing": true,
"endOfLine": "lf",
"embeddedLanguageFormatting": "off",
"proseWrap": "never",
"overrides": [
{
"files": ["*.js", "*.mjs", "*.cjs"],
"options": {
"printWidth": 140,
"tabWidth": 4,
"singleQuote": true,
"trailingComma": "none",
"htmlWhitespaceSensitivity": "ignore",
"embeddedLanguageFormatting": "off"
}
},
{
"files": ["*.html", "*.htm"],
"options": {
"printWidth": 100,
"tabWidth": 4,
"singleQuote": false,
"bracketSpacing": false,
"htmlWhitespaceSensitivity": "ignore",
"embeddedLanguageFormatting": "auto",
"proseWrap": "never"
}
},
{
"files": ["*.css", "*.scss"],
"options": {
"printWidth": 100,
"tabWidth": 4,
"singleQuote": false,
"bracketSpacing": true,
"semi": false
}
}
]
}
除外ディレクトリ・ファイル
Prettier では、整形対象から除外したいファイルやフォルダを .prettierignore に記述します。
このファイルは .gitignore と同じ構文で書くことができ、
Eclipse から外部ツールとして Prettier を実行した場合も同様に参照されます。
.prettierignore に書きます。
.prettierignore はプロジェクトのルートディレクトリに配置します。
例としてオススメの内容を記します。
node_modules/
dist/
build/
vendor/
*.min.js
*.min.css
4.困ったときは(トラブルと対処)
- ショートカットにPrettierが出てこない:
外部ツールの直接キー割り当ては不可。Ctrl + Shift + R経由で実行する。 - 保存時に動かない:
「プロジェクト → 自動ビルド」が有効になっているか確認。 - 別の選択肢:
「AnyEdit ツール」プラグインを使えば、保存時に外部コマンドを自動実行可能。
まとめ
| 機能 | 実現方法 |
|---|---|
| Prettier実行 | 外部ツール(prettier.cmd) |
| 作業ディレクトリ | 空欄(指定なし) |
| 保存時整形 | 外部ツールビルダー+自動ビルド |
| ショートカット | Ctrl + Shift + R → Tab → Enter |
これで Eclipse でも VS Code と同じように、Prettier による統一フォーマットを実現できます。
フォーマットの話で議論する時間を減らし、開発そのものに集中できる環境が整いました。