CentOS 7 にMySQLをソースインストールする準備
篠原 隆司
アフィリエイト広告を利用しています
このページの内容が役に立ったら X (旧twitter) でフォローして頂けると励みになります
挨拶や報告は無しで大丈夫です
CentOS 7 にMySQLをソースインストールしていってみたいと思います。
今回のこだわりポイントは「複数バージョンの同居」です。
開発環境用のサーバにMySQLをインストールするのですが、単独のバージョンしか使えないのでは後々困ったことになります。
案件によっては、何年も前に開発されたシステムを扱う場合もありますし、新規開発案件なのに納入先のサーバの都合で古いバージョンしか使えないこともあります。
ということでこのページではまず複数バージョンを同居するための準備について書いていきます。
なお本番環境で利用される場合はここにある内容だけを鵜呑みにせずセキュリティ専門家に相談されることをお勧めします。
環境
実施日 | 2020-07-28 |
サーバ | ローカル環境 開発用サーバ |
OS | CentOS 7.8 |
cat /etc/redhat-release
CentOS Linux release 7.8.2003 (Core)
rpm -qa | grep centos-release
centos-release-7-8.2003.0.el7.centos.x86_64
なぜソースインストールなのか
まずはこれですね。
一言で言うと、バージョンの同居が面倒になるから、です。
ソースインストールすることで、いろいろ細かくバージョンごとの調整がやりやすくなります。
ちなみにバージョン同居にこだわらないからYUMが良いって方は、こちらを参考にしてみてください。CentOS8でDNFですが「DNF = YUM」に読み替えたらだいたいそのまま使えます。
事前確認
yumで入れたMySQLもしくはMariaDBがインストールされていないか確認します。
# MySQLがインストールされていないことを確認
yum list installed | grep mysql
# MariaDBがインストールされていないことを確認
yum list installed | grep mariadb
インストールされている場合は、経緯を確認して良いようにしてください。
そのまま残しておいても良いですし、削除しても良いですが、その判断はご自身で決めてください。
ざっくりと仕様
こんな感じで進めますよってところを説明します。
MySQLのディレクトリ構成
# ソース置き場
/usr/local/src/mysql-8.0.20
/usr/local/src/mysql-5.7.30
/usr/local/src/mysql-5.6.48
# インストール先
/usr/local/lib/mysql-8.0.20
/usr/local/lib/mysql-5.7.30
/usr/local/lib/mysql-5.6.48
こんな感じでバージョンごとにディレクトリを分けます。
MySQLのポート
MySQLのポートは通常 3306 です。
ですが異なるバージョンを同時に利用できるようにするため、バージョンごとにポートを分けることにします。
バージョン | ポート
8.0.20 | 58020
5.7.30 | 55730
5.6.48 | 55648
ポートは重複してなければなんでも良いっちゃなんでも良いのですが、適当過ぎると覚えてられないので次のルールにします。
バージョンのドットを外した数字を使う。で、先頭に 5 を付ける。
バージョン 8.0.20 なら、 8020 で先頭に 5 を付けて、58020 を 8.0.20 のポート番号とします。
※プライベートポート番号は、49152 ~ 65535 で自由に利用できるポート番号として割り当てられています。
MySQLのユーザー
MySQLのバージョンに関わらず「mysql」ユーザーで統一します。
MySQLのrootユーザーのパスワード
MySQLのバージョンに関わらず、何か複雑なパスワードにして統一します。
ってこれはわざわざ書かなくても良いことですね。
理想だけで言えば、全部のパスワードを異なるものにすべきです。
大前提
MySQLの複数バージョン同居・同時使用は本番環境でやるようなものではないことは分かっていますよね?
本記事は開発環境でのお話です。
必要なパッケージのインストール
MySQLをインストールしながら、エラーが出て必要になったときに行っても良いですし、最初にまとめてやってしまっても良いです。
すべてのバージョンで必要なもの、一部のバージョンで必要なものなどあります。
# cmakeを入れてないとき
yum install cmake
# cmakeで▼のエラーがでたとき
# Could NOT find Curses (missing: CURSES_LIBRARY CURSES_INCLUDE_PATH)
yum install ncurses-devel
# rm CMakeCache.txt
# cmake ・・・ (やり直す)
# MySQL8.0.20 のcmake で▼のエラーが出たとき
# Could NOT find Git (missing: GIT_EXECUTABLE)
yum install git
# rm CMakeCache.txt
# cmake ・・・ (やり直す)
# mysql_install_db を実行して「誤ったインタプリタです」のとき
yum install perl
yum install perl-Data-Dumper
perl -v
libtirpc
MySQL 5.7.34 をインストールしようとして次のエラーが発生
-- Checking for module 'libtirpc'
-- Package 'libtirpc', required by 'virtual:world', not found
CMake Error at cmake/rpc.cmake:76 (MESSAGE):
Could not find rpc/rpc.h in /usr/include or /usr/include/tirpc
Call Stack (most recent call first):
rapid/plugin/group_replication/configure.cmake:60 (MYSQL_CHECK_RPC)
rapid/plugin/group_replication/CMakeLists.txt:25 (INCLUDE)
dnf install libtirpc
dnf install libtirpc-devel
cmake
MySQL8.0.14以上くらいから普通に cmake をすると次のエラーが出るようになります。
Could not find devtoolset gcc
gcc -v
で確認すると、4.8.5 と古いので新しい gcc を用意します。
▲こちらを行います。
cmake-3.17.2をCentOS7にソースインストール
▲せっかくなのでMySQL8.0.14からはcmakeも新しいのを使うことにします。
MySQLユーザーの作成
# グループが作られてないことを確認
cat /etc/group | grep mysql
# ユーザーがつくられてないことを確認
cat /etc/passwd | grep mysql
# グループを作成
groupadd mysql
# ユーザーを作成
useradd -g mysql -d /usr/local/mysql mysql
事前に存在確認して既に作成されている場合は良いようにしてください。
my.cnfの雛形作成
my.cnfを雛形として作っておきます。
MySQLをインストールした後にこのファイルを使って設定していきます。
vi /root/template_my.cnf
[mysqld]
port = [_PORT_NO_]
user = mysql
basedir = /usr/local/lib/mysql-[_MYSQL_VERSION_]
datadir = [_MYSQL_DATA_BASE_DIR_]/data
tmpdir = [_MYSQL_DATA_BASE_DIR_]/tmp
socket = [_MYSQL_DATA_BASE_DIR_]/tmp/mysql.sock
pid-file = [_MYSQL_DATA_BASE_DIR_]/logs/mysqld.pid
log-error = [_MYSQL_DATA_BASE_DIR_]/logs/mysqld
# Windows / Mac環境のみ
# lower_case_table_names = 2
# 文字コード
character-set-server = [_CHARACTER_SET_]
# utf8mb4 を使うとき
# collation-server = utf8mb4_bin
# SQLモード
sql_mode = NO_ENGINE_SUBSTITUTION,STRICT_TRANS_TABLES
# sql_mode = NO_ENGINE_SUBSTITUTION,STRICT_TRANS_TABLES,NO_ZERO_DATE,NO_ZERO_IN_DATE,ERROR_FOR_DIVISION_BY_ZERO
# SQL文の最大長
max_allowed_packet = 1M
# max_allowed_packet = 16MB
# MySQL 5.6.6 以降はデフォルトでON : InnoDBをテーブルごとにファイルを分ける
innodb_file_per_table = 1
# MySQL 5.5 のみ : federated が無くなったので無効にする
# skip-federated
# MySQL 5.6 以降 : 暗黙のDEFAULT値を持つTIMESTAMPは非推奨
explicit_defaults_for_timestamp = 1
# MySQL 5.7.4 以降 : パスワードの有効期間を無期限に
# default_password_lifetime = 0
# MySQL 8.0 以降 : 以前までのパスワード認証にする
# default_authentication_plugin = mysql_native_password
# チューニング用
sort_buffer_size = 512K
net_buffer_length = 8K
read_buffer_size = 256K
read_rnd_buffer_size = 512K
myisam_sort_buffer_size = 8M
# innodb_buffer_pool_size = 128M
# join_buffer_size = 128M
# sort_buffer_size = 2M
# read_rnd_buffer_size = 2M
# key_buffer = 16M
# table_cache = 64
# skip-locking
[mysql]
port = [_PORT_NO_]
user = mysql
socket = [_MYSQL_DATA_BASE_DIR_]/tmp/mysql.sock
default-character-set = [_CHARACTER_SET_]
[mysql.server]
port = [_PORT_NO_]
user = mysql
basedir = /usr/local/lib/mysql-[_MYSQL_VERSION_]
datadir = [_MYSQL_DATA_BASE_DIR_]/data
tmpdir = [_MYSQL_DATA_BASE_DIR_]/tmp
socket = [_MYSQL_DATA_BASE_DIR_]/tmp/mysql.sock
pid-file = [_MYSQL_DATA_BASE_DIR_]/logs/mysqld.pid
log-error = [_MYSQL_DATA_BASE_DIR_]/logs/mysqld
default-character-set = [_CHARACTER_SET_]
[mysqld_safe]
port = [_PORT_NO_]
user = mysql
basedir = /usr/local/lib/mysql-[_MYSQL_VERSION_]
datadir = [_MYSQL_DATA_BASE_DIR_]/data
tmpdir = [_MYSQL_DATA_BASE_DIR_]/tmp
socket = [_MYSQL_DATA_BASE_DIR_]/tmp/mysql.sock
pid-file = [_MYSQL_DATA_BASE_DIR_]/logs/mysqld.pid
log-error = [_MYSQL_DATA_BASE_DIR_]/logs/mysqld
default-character-set = [_CHARACTER_SET_]
[client]
port = [_PORT_NO_]
user = mysql
socket = [_MYSQL_DATA_BASE_DIR_]/tmp/mysql.sock
MySQLのダウンロードURL
https://downloads.mysql.com/archives/community/
「Product Version」で希望のバージョンを選択。
「Operating System」は「Source Code」を選択。
ファイル名が「mysql-バージョン.tar.gz」の形式のものをダウンロードします。
バージョン 8.0.20 なら「mysql-8.0.20.tar.gz」